〈船木倶子の詩〉
これからは
黒い身じたくであのひとはいま
車にのりこむ
そのとき あのひとを抱いた
わたしのなかに入っていてね
そしたら死なない
わたしといっしょに生きるのよ
立ったままだったけれど
あのひとは嬉しそうだった
ドアを閉める音がして
とまとの枝がわずかにゆれた
かおりが青くわたしを流れた
ゆめのなかだったけれど
あのひとにもういちど伝えた
わたしといっしょに生きるのよ
詩集「あなたとおなじ風に吹かれた」
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