〈船木倶子の詩〉

 野良に

 

はじめてのおだやかな眠りだね

表参道にも凩(こがらし)の夜はつづき 雨は凍て
食べるものとてない
ふきだまる落ち葉に おまえ
うすい皮膚を埋くまる
わたしをわらわせる すなおなおまえのたくましさ
そうして落ち葉は塵になる

そうして終(つい)えてしまった おまえは落ち葉でないのに
街はクリスマス
おまえ なにかを云おうとしていた瞳
(め)
だけをのこして

  

             「真夏の牡丹雪」

 

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