〈船木倶子の詩〉
水平線のない海
わたしの海にほんとうは
水平線などひかれなかった
やまない吹雪 ふりつづく雪
体脂肪をつかいはたした渡り鳥が 吹き溜りに
うずくまっていたりする
そのまま昏れる 夕映えもなしに
水平線をねむりのなかでは超えたりもする
詩集「いのちが透ける」
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